前回は、ドル指数月足チャート上に見えているチャートパターンから今後の金相場について強気な見方を掲載しました。
今回は、金相場自身のチャートから金相場の今後を見てみようと思います。

実は、金相場の長期サイクルデータは豊富ではありません。
昔、金は1オンス35ドルに固定されていた時代があるために過去の長期サイクルは一つしかなく、それが概ね25年サイクルだったために、現行長期サイクルも当初は25年で進行しているのであろうという前提で眺めていました。
現行長期サイクルは、1999年8月25日安値251.70ドルと2001年2月16日安値253.75ドルのW底からスタートして既にその3分の2以上が経過しており、カウント起点を一番底にするか二番底にするかでその後のサイクル解説が大きく影響を受けるようになりました。
当初は、一番底を起点とした25年サイクルの三位相パターン(三波構成)で説明及びその後の展開の予測をしていました。
ところが2015年12月3日に1046.25ドル(スポットベース)という安値がつき、これが直近の最安値です。
この安値はどうやら更新されなさそうだという見込みが立って以降、一番底を起点とする25年サイクルの三位相パターン(各位相が8.33年サイクル)については、そのシナリオを却下せざるを得なくなった次第です。
何故なら、25年サイクルの三位相パターンとしては、この1046.25ドルという安値を見るタイミングがやや早過ぎたのです。
2008年10月24日安値680.80起点のサイクルを第二8.33年サイクルと呼ぶには、2015年12月3日安値1046.25ドルは約1年位早過ぎる底打ちだったのです。
これで8.33年サイクルとは呼べなくなりました。
しかし、1046.25ドルは間違いなく直近最安値として確定していますので、これでサイクルの説明をつけるため、金相場は23.5年サイクルの中の7.83年サイクルサイクル(時に7.4年サイクルとも呼ばれる)と再定義されました。
これで、以前の「25年サイクルの中に三つの8.33年サイクルがある」という見方が、「23.5年サイクルの中に三つの7.83年サイクルがある」という表現に変わりました。
変わっていないのは、いずれにしても現在は最終の第三位相に入って時間経過がまだ非常に浅く、第三7.83年サイクル自体がまだ非常に若いということであり、若いサイクルの天井までの伸び余地が相当にあることはお分り頂けると思います。
そして、ここから先はもう一つの見方です。
上述した一番底の1999年8月25日安値251.70ドルを起点にし、2015年12月3日安値1046.25ドルが18年目サイクルだったかも知れないという見方です(以下参照)。

実は、ほぼ全ての市場は16~18年サイクルで回っています。
銀の18年サイクルやドル円の16.5年サイクル、また大豆やとうもろこしも18年サイクルで推移しています。
何故金だけが23年や25年サイクルと大きく外れているのか言われても、そのように見えたものが過去に一つだけあったというだけのことです。
もしかしたら、銘柄に限らず全市場は16~18年サイクルで動いているのが通常の形なのかも知れません。
実際に2015年12月3日安値1046.25ドルは、一番底の1999年8月25日安値251.70ドルを起点とするとほぼピッタリ18年目の時間帯で見ており、この安値が金の18年サイクル底だったと言われればかなり現実味のある話です。
このケースだとすると現在は新18年サイクルに入ってまだ1年半強程度であり、強気の時間帯が前者のケースよりも遥かに長く続きますが、前者でも3000~4000ドル位はあり得ると見る一方で、後者では更に上まで行けるはずです。