こんにちは。
マサアキです。
ご存知の通り、金とプラチナの価格が2011年後半、逆転しました。
それ以降、両金属の相場については色々な論議が飛び交っています。
プラチナは貴金属の中でもとりわけ希少金属です。
地上在庫が4720トンしかなく、
17万1300トンあると言われる金の30分の1より
はるかに低い在庫レベルであるにも拘わらず、
なぜプラチナは金よりも安くなってしまったのかと不思議そうに議論されています。
希少性ということも評価ポイントには違いないと思いますが、
価格が高くあるべきだと評価を受ける一番のポイントは、
「いかに欲しがられているか」 または
「いかに必要とされているか」
ではないでしょうか?
「少ない」 ものが いつも 「必要」 がられているとは限りません。
子供の頃、私はコインコレクターでした。
コインの値段というのは、発行年号の希少性で
額面とは全く無関係のとんでもない値段がついたりするものです。
50円硬貨なのに昭和62年に発行されたというだけで
23,000円で売られているとか・・・こんな具合にです。
それ故、稀少年号のコインを持っているということはとても自慢のことでした。
当時とても高価で手が出にくかった同じコインが、
今日、半額位になってしまっています。
稀少性が何ら変化したわけではありません。
コイン収集がブームで誰もが欲しがった当時だから高価だったものが、
ブームが去って誰も欲しがらなくなかった現在、安くなってしまうのは当然です。
それでも額面の30倍以上の値段が今でも付いているのですから、
何やら金価格とプラチナ価格の評価額逆転に
論理が通じるような気がしてきませんか?
これは私流の解釈ですが、以前にも書いたように、
金の本当の需要は、
「誰の負債でもないマネー」としてのものだと思います。
世界経済の状況が悪化すれば、
誰の負債でもない金(=マネー)の需要は増す一方で、
工業用途や宝飾用途で、経済が良い時に高い需要を示すプラチナ需要は減退します。
「有事の金」 とは言いますが、
「有事のプラチナ」 とは誰からも聞いたことがありません。
希少性だけを評価するならばプラチナに軍配が上がるのは当然です。
しかし、
希少過ぎる故に市場が必要としているマネーとして
プラチナが機能しなければどうでしょうか?
プラチナは欲しがられるでしょうか?
この場合、地上在庫のレベルがより高い金(ゴールド)の方が
高い評価を受けても別におかしくないと思います。
つまり、価格の決定に際しては、希少性だけが評価のポイントではないということです。
金価格と逆転したはものの、
それでもプラチナ価格は依然高い水準に位置しており、
プラチナの希少性については、
それはそれできちんとその評価を受けていると思います。
今回の両金属の価格逆転は、
金ならマネーになるが、プラチナはマネーとしては役不足であり、
市場は今、金の方をより必要としている・・・
という評価が価格差になって出ているのではないでしょうか。
現在、私の
無料メルマガでは、金相場のテクニカル講座を中心に
情報をお届けしていますが、金以外の貴金属ネタについても検討中です。
実際に、銀についての問い合わせが以前にありました。
少し時間を頂きながら考えてみます。
では、また。