現在の金相場はファンドによる買い越し相場です。
金先物の世界で買い参入したポジションは、
必ず売って閉じ(Close)られ、反対に売り参入したポジションは買い戻して閉じられます。
それ故に先物で手仕舞い前のポジションは
オープンポジション(Open Position)と言われます。
つまり、
買いのオープンポジションは売って閉じられますから、将来の"売られ玉予備軍"なのです。
「売られ玉予備軍」ということはつまり、将来価格を引き下げる原因になるということです。
天井からの下落というのは、
天井圏まではドンドン買いのOpen Positionが積もっていった後、
ファンドの手仕舞いによって崩れる現象です。
したがって、我々が天井圏で手仕舞いし、
含んでいた利益を出来るだけ多く確定しようと思えば、
ファンドが手仕舞いする前に動かねばなりません。でもどうやってそのタイミングを知ることが出来るの・・・?
NY金のCFTC建玉明細という指標があります。
ポジションは買玉が多いのですが、そればかりではありません。
売玉もあります。
未決済買玉から未決済売玉を差し引いたものを
"買い越し残"と言います。
市場のメインプレイヤーであるファンドが
買玉を売り手仕舞いし始めると、買い越し残は減り始めます。
重要なことは、
この
買い越し残の数字で天井圏の売りどころや底値圏の買い場を判断出来ることです。
これでファンドの買い越し残(将来の相場の下落原因の元)が分かりますので、
この数字がどの位になったらそろそろ天井圏、
どの水準まで減ったらそろそろ底値圏と判断すべきかということが分かるようになり、
これに慣れると上手な取引が出来るようになります。CFTC建玉明細は一般公開されているデータですので、
お取引されている会社の営業マンに伝えてもらうのも手だし、
その会社のHPから見て取ることも可能です。
(以下の表参照)↓クリックで画像拡大↓

※上記の表は、
北辰物産のHPからの抜粋を利用しております。
買い越し残は"トン数"で語られるのが一般的ですので、
買い越し残数はトン数での感覚が身に付きやすいと思います。
しかし、取引会社がHP上で公開しているのは、
上の表で見られるようにNY市場の買い越し"枚数"で表現されることが多く、
これをトン数に換算すればよいだけです。
例えば、今年の1/14の買い越し残数は44013枚(表中の大きい太数字)ですが、
この元データをこのように換算します。
NY市場の1枚は100オンス(=3.11035 kg) ですから ...
44013(枚)× 3.11035(kg)÷ 1000 ≒ 136.9トン(1/14時点での買い越し残)...と計算します。
これが2014年1月14日時点でのNY市場におけるファンドの買い越し残のトン数です。
今見えている表の中では、この数字以降数字は増えており、実際に相場も上がっています。
ただ判断の基準になる天井圏や底値圏でのトン数は時の経過と共に変わっていきます。
取り組みが今ほど多くなかった10年以上前なら、
買い越し残が200トンといえば天井圏を意味していましたが、
今なら底値圏を意味する数字になっています。
今の時代、金相場の天井圏では800トンを超えることがあります。
ファンドの買い越し残が700トンを超えたらそろそろ天井圏を警戒すべきです。いずれ利益を確定するために買われてきた買玉が
売り崩される日がそう遠くないことを意味している水準です。
ちなみに、あの6/28(1180.30ドル)の直後の7/2に発表された
買い越し残の数字は20751枚です。
これをトン数に換算すると...
20751(枚)× 3.11035(kg)÷ 1000 ≒ 64.54トン(7/2時点での買い越し残)これは近年稀に見る低い数字で、今日までこの数字を下抜いてはいません。
それ以降の金相場はご存じの通りです。
ここから先は各自で研究してみて下さい。
これは役に立つデータですよ。
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相場動向の判断精度がグンと上がるはずです。