あまりに上昇トレンドへの復帰に時間が掛かっている金相場ゆえか、
金を売り放して株と外貨に資産シフトせよなどと主張する人もいます。
そう言いたくなる気持ちも分からなくはありませんが本当にそれで良いのでしょうか?
彼等は金相場が既に天井を打ったと見ているようですが、
なぜそう見るかという解説までは十分納得出来るレベルで付いてきていない気がします。
金は一度沈むと浮上するまでに相当な時間が掛かるイメージが確かにあります。リーマンショック後の回復相場も、再び高値更新するまでに1年以上を要しました。
今回は未だ2011年9月高値の1920ドルを更新しておらず、
天井からの経過時間は1年どころではありませんが、
2008年時とはまた相場のスケールが全然違うところに着目する必要があると思います。
金がなかなか上がってこないと言いますが、
一定以上は下がりもしないことに言及する人はあまりいません。
相場が大きな絵を描く程、リアルタイムに相場の現況を把握することは難しいと思います。
もしかしたら金相場は既に回復途上にあるのかも知れません。
地球は間違いなく自転していますが、
地球が確かに自転していると大地を踏みしめながら実感まですることが出来ないのは
地球があまりにも大きいからではないでしょうか。
もっと小さな球であればそれは体感出来るはずであり、
この事実とよく似ていることだと思います。
ここでドル建てゴールドの月足チャートで金相場のBig Pictureを見てみましょう。
<Spot Gold 月足> 何だかんだ言っても相場は回復しているのでは?↓クリックで画像拡大↓

※上記チャートは、
北辰物産の高性能相場分析ツール「DIAS Pro」を利用しております。
少なくともここまでのドル建て金相場はダブルボトムを形成したように見えていますが、
その割には第二ボトム後の上伸力がどこか頼りない感じがするところが確かに気を揉ませます。
ボリンジャーバンドでこの月足チャートを見ると、
2012年10月の第二高値からの大急落以降の金相場は、
同バンドの下限ラインとの縁がなかなか切れませんでした。
しかし、今年に入ってようやく下限ラインと中心ラインの中間ライン(-σ)の上に
約1年ぶりで確りと乗せており、回復に向けての一歩前進と素直に見て良いと思います。
バンドは最早急落しておらず、この先中心ラインを目指す動きを見せる期待が持てると見ており、
この中心ラインを超えさえすれば、
金相場が回復途上にあることに疑う余地はなくなると思います。
このダブルボトムが好印象である点は、第二ボトムが第一ボトムよりも高いことであり、
形は少々歪になるかも知れませんが、
まだダブルボトムの形が崩れてしまったわけでもありません。
いつも述べる金相場のサイクル的余命の話を抜きにしても、
金相場の上昇トレンドはまだ終わったとは言えない...と私は見ています。
短時間で急に上がった相場の後始末は随分と時間が掛かるものだと、
2008年のリーマンショック後の相場で私達は一度体験しましたが、上のチャートを見て下さい。
今回は一段とスケールが大きいのが一目瞭然です。
こういう相場では回復に相当な時間が掛かるものだと
予め知って取り組まねば早まったことをしてしまうかも知れません。
上述した
・ボリンジャーバンドの見方
・金相場のサイクル
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全て金相場に照準を合わせて私自身の表現で解説していますので、
市販本とは一味違うはずです。