どんな強い相場においても、
普段と異なるスケールの暴落が数年に一回は必ず起こっています。
金相場では2008年10月のリーマンショックに伴う急落(下げ幅351ドル)と、
2012年10月から2013年6月に至るまでの
一貫した下げ波動(下げ幅615ドル)がその代表格になるでしょう。
私達が日常的に見ている下落は、数日間上げた幅に対する調整だったり、
数週間の上昇幅に対するそれだったりする程度のものです。・具体的な数字では20ドル上げて10ドル下げるとか...
・中期的には200ドル上げて100ドル下げるとか...
これはまあ大きな動きですが精々でそういうレベルです。
そう、普段は...です。
しかし、ある時は突然"普段"のレベルを大きく突き破り、
驚く規模の下げ相場を演じることがあります。
何故でしょうか?
金は25年で大きな一つのサイクルになっていますが、
この中もこれに準ずる長期サイクルで構成されているからです。
長期サイクルの中の上昇時間はそれ相当に長く、上げ幅もそれ相当です。
その長期サイクルが一旦天井を打ち、
底に向かう時間帯(要するに下げの時間帯)に入れば、
それまでの長期間に亘る上昇の
全上げ幅に対する修正が入ることになります。
長期サイクルは最終的には数週間単位のミニサイクルにまで細分化されますが、
天井に至るまで見てきた下げは、長期サイクルの中にあるミニサイクルの底であり、
長期サイクル的には単に押し目だったのです。
したがって、
長期サイクルが天井を打っていない限り何度下げても立ち直ってくるわけです。
しかし、長期サイクルの天井が一旦確定すれば、
次にあるのは
長期サイクルの底に向かう時間帯であり、
これが
数年に一回だけ見る規模の大暴落なのです。
相場がサイクルで動いているという事実を受け入れているといないとでは、
相場を見る目が当然大きく変わってきます。
サイクル論を知らずして「暴落」という部分にだけ焦点を当て、
メディアが報じるニュースを聴けば、
金相場の上昇は終焉してしまったかのように聞こえてくるはずです。
ニュースはその時に見えている一点の事実を報道するだけであり、
"線"ではないので前後関係の専門的な説明などは一切ありません。
勿論いつかは本当に金の上昇も終焉するのですが、
その時に冷静に診なければならないことは、
相場の長期サイクルがそこまででどれだけ進行してきているかです。
金の長期サイクルを把握せず、
目の前で起こった暴落を見ただけで相場が終焉したとのメディアの報道を
単純に受け入れてしまうことはあなたの不利益に繋がります。
暴落の実例を見てみましょう。
<金の暴落場面1 2008年3~10月> ↓クリックで画像拡大↓

※上記チャートは、
北辰物産の高性能相場分析ツール「DIAS Pro」を利用しております。
これが最初の8.5年サイクルです。
約7年に亘る上昇期間に積み上げてきた全上げ幅に対する修正が、
僅か7か月間に起こった351ドル下げという形になった場面が見えています。
<金の暴落場面2 2011年9月~2013年6月>↓クリックで画像拡大↓

これは次の8.5年サイクルに入った後の前半ハーフサイクルです。
最初の8.5年サイクル底(2008年10月)から約3年で1240ドルもの上昇を見せ、
その後は1240ドルに対する修正が起こりました。
その下落幅は実に740ドルと途轍もないスケールになりましたが、
その前の上げ幅が凄いので
これでも当然考えられる範囲内の数字です。
下落の数字が最近やたらと大きいのは、
長期サイクルの中で時間が経過していくと共に、
相場のボラティリティ(変動幅)が上がって来ただけなのです。
相場サイクルの概念は知っているととても便利です。
横から惑わすようなことを云われても、
自分自身の中にブレない軸を持つことが出来ます。上昇時間から下落時間への反転(またはその逆)メドがつき易く、
少し大袈裟な言い方ですが相場が透けて見えるような気になります。
投資家は透視家になることが成功への鍵です。
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