エリオット波動論という相場の見方があります。
相場の世界全般に適用される概念であり、相場の価格変動には一定の「秩序」が存在することをラルフ N.エリオット氏という人が提唱したためにこの名がついています。
「秩序」の中には、次の波ではどこまで伸びるかなどの数字的概念も含まれるのですが、話しが長くなるため、ここではその点については触れません。
相場がどういうリズムで推進していくのか、今回はその形だけを示したいと思います。

エリオット波動論においては、上図のような上昇相場は"上昇三波"と"修正二波"とに分けて定義されています。
そして上昇出発点から天井に至るまでの第1波~第5波までを「推進波」といい、天井から下落するA波~C波までを「修正波」といい、その中の一つの波動は更に同じ定義の下で、同様に上昇三波と下落二波に細分化されるのです。
商品相場においては第5波が最大になる特徴があるともいわれています。
これがエリオット波動論によって定義された波動形の基本であり、実際の相場の波動は確かにこのような進行をしているから面白いものです。
実際の相場をエリオット波動論の定義に当てはめると、こんな風に見えないかとも思うのですがどうでしょう?
<Spot Gold 月足> やはりこの先は大上昇か?

大きな絵として現在の金相場を眺めると、昨年の12月3日(1046.25ドル)は、もしかするとエリオット波動の第5波の始点となっているかも知れず、上図は辻褄が合う見方だと思います。
この中の第1波だけを抽出してクローズアップしてみると、これもまたエリオット波動論の定義に則して綺麗に見えます(以下チャート参照)。
<Spot Gold 月足 2008年> 更に細分化された 第1~5波 及び A~C波

見事に定義通りです。
金相場はいつもテクニカル的に教科書のお手本のような値動きを見せることが多く、見易い市場ですね。