5年半サイクルの天井期にありながら全然下がり始めないドルが邪魔をし、強含みしない金相場です。
数年前に起こったユーロ危機は金にとって強材料でした。
しかし、その後のギリシャ危機では金は上がりませんでした。
また、リーマンショック時も株に遅れて益出しの利確に暴落したものの、それ自体は金に強材料として働きましたが、今夏に起こったチャイナショックには金相場はほぼ無反応でした。
2001年の9.11の時は、反騰幅は13ドルと僅かでしたが一応は上げ材料となりました。
この出来事は、その後の金相場の上昇トレンドを決定付ける切掛けにもなりましたが、最近起こったパリのテロに金相場は全く反応しませんでした。
過去に比べ、今は金相場に資金が入ることがあたかも不都合であるかのようです。
何が起こっても金価格が上がらない現状は何故でしょう?
もしかすると、数年前と比べて今の金融環境が段々変化しているからでしょうか?
時代は徐々に電子マネーに向かっているように見えます。
そうであれば、金というものの存在はしばし邪魔になるかも知れません。
電子マネーは、当初SUICAやPASMOなどのようなカードへのチャージ型から始まり、最近はTUTAYAのTポイントカードにも現金チャージ可能型のものが出てきました。
時代はドンドン電子マネーを推奨しているかのようです。
本格的なものとしては、ビットコインやモナーコイン、またリップルなどのようにコンピュータ上に存在する形態のものへと進化しています。
次は通貨が私たちの体の中にでも入るのでしょうか。
ご存知のようにそれらの仮想通貨は取引相場が既に存在していますがまだ普及しきっている状況ではなく、最終段階に至るまでに今しばらく時間を要するでしょう。
それまで金はゆっくりと弱含みなのかな???
<BTC/JPY> ビットコイン/円相場 日足

金を買いまくっても値が上がらないのは、金買いに対してわざと失望感を演出しているのかも知れないと考えれば辻褄が合う気もします。
既にレフトトランスレーションが確定している金の第二8.33年サイクルの底打ちまでにはまだ1年強はあり、少なくともそれまで金は弱いと見ておかねばならないかも知れませんね。

【Spot Gold 月足】 第二8.33年サイクルの底打ちにはまだ早い

第二8.33年サイクルの起点から横軸を数えると、明らかに底打ち時期にはあと少しだけ時間が必要であるよう見えます。
それまでの反騰局面は中期的に戻り売り場面になるということなのでしょう。