低迷するプラチナ価格と高騰するパラジウム価格が、1000ドルを対称軸に接近してきました。
もしかしたら両銘柄の価格はグランドクロスするなんてことも現実的になってきたかも知れません(以下チャート参照)。
【Spot Platinum 月足】 既にかなり縮んだ価格差

【Spot Palladium 月足】 依然上向きの様相

商品市場に上場されていながらも実は「商品」ではない金の価格と異なり、需給が素直に反映され易い白金族の価格を思えば、ゆとりあるプラチナの地上在庫と新興国による強いパラジウムの需要からそのような結果が生まれても変ではないでしょう。
パラジウムは、世界最大の生産国であるロシアからの供給懸念を背景にかつて狂騰相場を演じたことがありました。
あの時は、特に2000年に入ってから上昇に加速をつけ、天井を打った2001年1月には1オンス1000ドルを超え、桁まで一つ増えたその価格に市場参加者は呆れる程の驚きを覚えていたはずです。
【参考:Spot Palladium の2001年1月天井 1095ドル】
因みにその頃のプラチナ相場はパラジウムに牽引されながら同じく高騰相場の中にあったものの、その価格水準はパラジウムに遠く及ばず、その約半分強程度の500~650ドル程度。
普段は地味な銘柄であるパラジウムにここまで牙を剥かせるロシア材料の力をその時知った気がします。
現在のロシアの国際的立ち位置を考えると、再びロシア材料でパラジウムが暴れる日が来るのだろうか...そんな風に考えたくなります。
2015~2016年は金相場にとっても上昇トレンドへの回帰が掛かる重要な時間帯ですが、プラチナ相場とパラジウム相場の価格上下関係入れ替わりが起こるのかどうかについても、貴金属市場にとってもう一つの大きな注目点です。