こんにちは。
マサアキです。
今や日本人の間で日常的に使われている
「アベノミクス」 という言葉には、
円安が話題になる時に最も多用されている印象がありますね。
では、アベノミクスが金相場に与える影響はあるのでしょうか?
直接的には全くありませんね・・・少なくとも今のところは。そもそも日本の政策が金相場に影響を与えること自体が非常に稀です。
2002年春のペイオフ解禁騒ぎは
珍しく国際金相場に影響を与えた日本主導の材料でしたが、あとは記憶にありません。
アベノミクスが引き起こしている円安トレンドが、
過去の行き過ぎた円高を是正する程度の範囲内で留まれば、
アベノミクスによって日本人が金を買い増したり、
売り放したりする理由はどちらも無いと思います。
ただし、今回の円安が最近までの円高トレンドに対する一時的反動ではなく、
1ドルが200円や300円、あるいはそれ以上まで行くような
「本当の円安」トレンドが進行していくとするならば、
恐らく途中から話は別になってくると思います。
そうなれば一部の国民から円に対する危機感も台頭してくるでしょうし、
円の代替資産を模索し始めることも考えられます。
その時、人々のお金の一部(大部分かも知れません)が
金に向かう可能性はあると思います。
ただ、そのように遠大な円安トレンドが進行中だととしても、
現在の101円や102円程度の段階ではまだ相場が若過ぎ、
誰も気付くことは出来ません。
巷の一部の経済誌は、
「今回は本物の円安だ」みたいな調子で記事を書き上げています。
そうかも知れません。
しかし、それが 「本物」 かどうかをどのように見極めるのでしょうか?
ちょっとここで
ドル円チャートのBig Picture を見てみましょう。
【ドル円 月足】 中期的には確かに潮目の変化だが、大きな絵として見れば・・・↓クリックで画像拡大↓

※上記チャートは、
北辰物産の「DIAS Pro」を利用しております。
ドル円の長期サイクルは16.5年です。
セオリー通り三つの5.5年サイクル(必ずしも綺麗に5.5年ではありませんが)
が含まれており、形的にはきっちり16.5年で完結している様子が見て取れます。
つまり、
今は新16.5年サイクルに入っているわけで、
ご覧になってお分かりの通り、
最初の5.5年サイクルの天井(円安の極み)に向けて船出した動きです。
ですから今起こっていることは、テクニカル的にはどの道、
円安で当たり前なのです。
問題は、その5.5年サイクルが強気型なのか弱気型なのかということです。
絵で示しましょう。
つまりこういうことです。

上図でいえば、
現在のアベノミクス円安相場は太い右上がりの矢印(現在の円安)です。
この先、
見届けたいのは、5.5年サイクル内において円安トレンドにかける時間です。
円安の時間が5.5年サイクルの半分にも満たないCase 1 の形なら、
巷の長期円安トレンドのシナリオは後退しざるを得ません。
これは、今回の円安は一時的であり、また再び長期円高トレンドに復帰する場合の形です。
万一、安倍政権が失脚するようなことにでもなれば、
このCase 1 の形になる可能性があります。
反対に
Case 2 のように、5.5年サイクルの半分以上の時間をかけて円安が進行していくなら、
上述した
"本物の円安"に一歩近づく話になります。
アベノミクス自体が金相場に直接与える影響は無いと思いますが、
それがトリガーとなって、
2002年時のように日本人が主導する金買いが起こる可能性があるとすれば、
それはCase 2の方でしょう。
円安が支えて高騰していく円建て金価格は、
日本人の買い意欲をそそるだろうと思われるからです。
今年の10月が過ぎれば、現在の5.5年サイクルは2年が経過します。
ですから、ドル円はそこから先が注目ですね。
ちなみに
Case 1 の弱気型のことを、サイクル論の言葉で
レフト・トランスレーションといい、
Case 2 の強気型については、
ライト・トランスレーションと呼んでいます。
このようにチャートのパターンやサイクルを勉強すると、
今まで見えていなかった相場の先が見える(少なくとも予想出来る)ようになってきます。
ご興味のある方は私の
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その他のテクニカル分析手法についてもたくさん紹介しています。
では、また。