こんにちは。
マサアキです。
前回は、テクニカル的に見たゴールドの中長期見通しを書きました。
中長期的には3000ドル、
最終的には8000~10000ドルが目標値になるのではないかという
海外アナリストの予想もリアルな話だと思う・・・というのが趣旨でした。
今回はテクニカル面から離れ、
別の角度から金価格の目標値を占ってみたいと思います。
私も長く金先物取引をしていて、
昔から時折悩まされた存在にIMFという国際金融組織があります。
このIMFという機関、ご存知の方も多いと思いますが、多量の金塊を保有しており、
その重量たるや実に2814トンにものぼります。
なぜ先物取引をしていてIMFに悩まされるのかというと、
彼らはある国に融資を行う時、
自らが保有している金塊を売却して融資資金を捻出するからです。
彼らの金売却のニュースが流れる度に
買い持ちしていた玉は冷や水を浴びせられるのです。
その影響力たるや甚大なもので、
彼らが金売却に動いた時はかなり大きな金価格の下落を引き起こしてきたものです。
それにしても2814トンとは・・・これでも随分減った数字なんです。
私の記憶では、確か10年以上前は3000トンを超えていたはずです。
まあ、つまりそういうことなのです。
融資の度に売却するから減って当然です。
それで重要なことは、
このIMFが2009年のG20で、融資能力を7500億ドル(約60兆円)レベルまで
引き上げる計画に合意していることです。
現在彼らが保有している金塊2814トンの時価は、
金価格1700ドルとして約10兆円強です。
したがってG20で合意した計画目標60兆円はその6倍です。
合意した60兆円の融資能力を達成するには、
保有している金塊の価格が今の水準から6倍にならなければならず、
恐らくそれ以外に手段はありません。
単純計算でも1700ドルの6倍とは10200ドルです。
多分、これが海外アナリスト達が
金価格10000ドルを提唱する根拠なのではないでしょうか。
昔から金価格を揺らしてきたIMF ・・・
金価格10000ドルの鍵も彼らが握っているようです。
10000ドルの数字をテクニカル計算で出すには
ちょっとまだ数字材料が足らないかも知れません。
しかし前回、現行の8.5年サイクルの高値予想3000ドル前後というのは、
少々荒い計算ですがテクニカル分析によって出てきた数字です。
現行の第二8.5年サイクルの後に
まだ最終第三8.5年サイクルが残っていることと、
商品相場の三波構成の特徴(
第三波の天井が最も高い)を考慮すれば、
第三8.5年サイクルの中でつけるであろう最終天井は、
第二8.5年サイクルの天井よりは高くあって然るべきであり、
すなわち3000ドルよりも遥かに高い数字になることは
教科書的にも道理です。
したがって、この視点からも金価格10000ドルはあり得る話と考えます。
相場の波動の特徴とサイクル論については、今後も頻繁に触れますので、
まだ馴染んでいない人は、ぜひ私の
無料メルマガで理解しておいて欲しいと思います。
サイクル論が分かると、それを知る前より相場がよく見えるようになり、
自信につながります。
では、また。