こんにちは。
マサアキです。
金相場に取り組むあなたは、
普段から新聞やニュースは見たり聞いたりされていることでしょう。
少なくとも我々日本人の場合、金相場が動いた説明については
日経新聞などの読み物から受けることが多いと思います。
それらを読んでいて疑問に思ったことはないですか?
「ドルが下がるから金が上がるんでしょ? どうしてドルが上がってるのに金も上がるの?」
とか、
どこか腑に落ちない説明を聞いたり読んだ記憶がありませんか?
私もよく、「教科書通りです。」 という表現を至るところで使いますが、
こういうファンダメンタルズを話題にする時は使いません。
ここで「教科書」という言葉を使うと、
「教科書」を改訂したり増刷したり、何かと忙しくなってしまうからです。
「ドルが下がると金が上がる」 という理屈は今日なお生きていますが、
「ドルが上がっているのに金も上がっている」
などという場面も最近は見るようになりました。
こういう現象が特に増えたのは通貨ユーロが登場して以来です。
昔は基軸通貨ドル一極体制の時代であり、
米ドルが下がれば、資産の逃避先は金(ゴールド)、
もしくは2700トン強の保有金塊(当時)に拠って立つ国家の
スイスフラン位しかありませんでした。
ところが今はスイスフランの他に、ユーロが出てきたわけです。
1億3千万人の人口を抱えながら765トンという、
欧州の主要国に比べたら決して多くない金塊量しか保有していない日本の円も
米ドルの逃避先として話題にはなりますが、
ゴールドと日本円の直接的関係については、市場では全く論じられていません。
"ドルが下がればユーロが上がる" のですから、
"ユーロが上がれば金(ゴールド)もユーロと一緒に上がる"
・・・という方程式が出来てしまうわけです。
普段、ほとんどのケースでユーロと金(ゴールド)は正の相関関係です。
ではユーロが下がると、金(ゴールド)も常に下がるのでしょうか?
現在進行中のユーロ危機については、
ユーロに突風が吹くようなニュース
(ギリシャは既に意外性が無いので、スペインやイタリアなどの財政危機などのニュース)
が出ると・・・
ギリシャよりもっと大きなスペインやイタリアまで危ないことがわかった。
↓
これはユーロにとってもっと大きな危機だ
↓
だから危ないユーロが売られて金(ゴールド)が買われた
・・・という説明と共に
ユーロは下げても、一つの主要通貨の危機を材料に金相場は上昇します。
ユーロ安とは、すなわち対ユーロでは米ドル高です。
これが
"米ドル高 なのに ゴールド高 になる理由" です。
確かに、これでは昔の教科書は使えないわけですね。
米ドルの高安を見るなら、
以前にも触れた「米ドル指数」という主要6通貨から構成される指標がありますが、
使用人口が5億を超えるユーロ通貨だけを見ていても、ほぼ差し支えはありません。
実際に "ドル高時のゴールド高" をチャートで見て確認してみて下さい。
これは時々起こることであり、ほとんどの時は「教科書通り」ですが、
ある一時期だけそのような現象が起こっていることが分かります。
上下2枚のチャートの時間軸は揃っていますので見やすいはずです。
【ユーロ・ドル 月足】 二本の縦線に挟まれている時間帯はユーロ急落
↓クリックで画像拡大↓

※上記チャートは、
コチラの業者のチャートを利用しております。
【ドル建てゴールド 月足】 上のユーロ・ドルチャートと同じ時間帯は金上昇
↓クリックで画像拡大↓

※上記チャートは、
北辰物産の「DIAS」を利用しております。
上の2つのチャートで、それぞれ2本の線に挟まれている部分は同じ時間帯です。
見れば、ユーロが安く(ドルが高く)なっているのに、
ゴールドが上昇しているのが一目瞭然です。
その他の殆どの時間帯では、
従来の "ドル安=ゴールド高" の方程式が適用されていますが、
いつもそうだとは限らない
ということです。
「何でもいいから、わしゃ、とにかく上がって行くんじゃ。」
と金(ゴールド)が言うのが聞こえてくる
みたいに、金相場の上げ材料はまさに美味しいところ取りなのです。
いつもブログを読んで下さっている方が、気付いているかどうか知りませんが、
私はあまりファンダメンタルズについてブログでは触れない方です。
金相場はテクニカル知識だけで取り組めばまず
OKだからです。
逆にテクニカル分析で急落しそうな見通しが立った時は、
何か大きなことが起こるのではという予感が立ちます。
そして、その時それが実際に起こることが多いのです。
金相場は結局テクニカルだ・・・と3年目位の頃から
金相場への向き合い方をテクニカル一本で決めましたが、
今日までのところ特に不都合はありません。
それゆえに、私の
無料メルマガの主な内容は、テクニカル講座にしているのです。
では、また。